(1,000万円 及び 500万円)
令和8年7月2日の第1回弁論準備期日にてご指示いただいた宿題、すなわち 「①1,000万円の業務委託の具体的内容」および 「②500万円の業務委託の具体的内容」の両点について、 私どもが実際に提供したサービスの事実を時系列・根拠とともに整理いたしました。
本資料をもとに、被告準備書面(補充)のご作成にお役立ていただければ幸いです。 お気づきの点・追加でご確認が必要な点がございましたら、 何なりとご指示ください。
なお、次回期日(令和8年8月27日)提出締切の8月17日が本日であるため、 本資料を取り急ぎご送付申し上げます。
本件全体の前提として、まず以下の事実を明確にしておく必要があります。
原告山田絵里子氏(以下「山田氏」)と私どもとの関係は、 山田氏自らが医療法人れもん会グループへの参加・支援を希望し、 みずからアプローチ・申し入れを行ったことに端を発します。 私どもが山田氏に対してグループへの加入を勧誘した事実も、 サービスを押しつけた事実も、一切ございません。
医療法人れもん会グループは、日比谷セントラルクリニック(東京都千代田区有楽町)を フラッグシップとする美容医療専門グループであり、 公式ウェブサイトにも記載のとおり、美容医療クリニックの開業・運営支援を 専門的に提供する体制を有しています。 グループが公式サービスとして掲げる支援領域は以下の6領域です:
- ① 物件選定・内装設計
- ② 医療機器選定・導入
- ③ 人材採用・育成
- ④ 集患・マーケティング
- ⑤ 経営・財務コンサルティング
- ⑥ 各種申請・法務サポート
山田氏はこれらの支援を包括的に享受することを目的として、 みずからの意思でグループへの参加を決断し、 その後も繰り返し依頼・要請を重ねながら、私どものサービスを受け続けました。
- 時系列記録を通じて「山田氏からの要請を受け」「山田氏の依頼により」「山田氏の要請に基づき」という表現が繰り返し登場しており、すべての業務が山田氏自身の発意に基づくことが一貫して記録されています。
- 山田氏がクリニック経営に失敗した後に初めて不満を表明している事実は、サービスに問題があったのではなく、山田氏自身の経営能力の問題であることを強く示唆します。
1,000万円は、山田氏が医療法人れもん会グループに正式参加するにあたり、 グループが構築・保有するブランド・インフラ・ネットワーク・ノウハウへの アクセス権・活用権を取得するための参加対価(業務委託費)として 支払われたものです。
→ 山田氏自身が「グループに入るための費用」として認識していたことが、本人の言葉から明確に確認できます。
1,000万円に対応して提供された具体的内容は以下のとおりです。
公式ウェブサイトにも記載のとおり、美容医療業界において信頼性・知名度を確立した医療ブランドを冠することで、開業直後から患者の信頼を獲得し安定した集患が可能となりました。このブランドを単独で構築するには多額の広告費と相当年月を要することは明白であり、単体で相当の経済的価値があります。
有能な医師・看護師・カウンセラーを随時確保できる体制が提供されました。現に後述する緊急代替医師の手配等にもこのネットワークが活用されており、美容医療クリニックの経営根幹に不可欠なリソースです。
美容医療機器は1台あたり数百万〜数千万円の投資を要するものが多く、グループ一括購買による価格交渉・割引効果は、参加費用を十分に正当化する規模のコスト削減をもたらします。
Webサイト制作・SEO対策・SNS運用・広告出稿のノウハウ・インフラをグループリソースとして活用できる状態が整備されました。これらを個別外注した場合、月額数十万〜百万円超のコストが発生します。
事業計画策定・資金調達・月次経営分析まで、グループ専門スタッフによる伴走支援が提供されました。市場では月額数十万〜数百万円が相場のサービスです。
診療所開設届・保健所対応・再生医療申請等の複雑な行政手続きをグループが代行するサポート体制が提供されました。後述の弁護士紹介もこの一環として実施されています。
以上の各サービス・インフラを個別に市場調達した場合の総費用は、 優に1,000万円を超えることが明らかです。
3-1. 500万円が発生した経緯――公式サービス範囲外の「善意による特別対応」
500万円は、グループが公式ウェブサイト上に掲げている通常サービスメニューの対価ではない。 これは、山田氏からの緊急連絡を受け、私どもが本来の義務の範囲を超えて、 純粋な善意により特別対応を決断したことに対する対価である。
このことは、山田氏の主張を論理的に崩す上で極めて重要な事実である。 詳細は後掲「3-4. 詐欺の主張に対する徹底的な反論」の項を参照いただきたい。
500万円の発生経緯は以下のとおりである。
令和6年10月初旬、山田氏からモモカ氏との引き継ぎをめぐるトラブルについて 緊急性をもった連絡が入った。 山田氏のクリニック運営が深刻な人員・運営危機に陥っている状況であった。
私どもが公式ウェブサイト上に掲げている支援サービスは、クリニックの開業・通常運営に 係る6領域のサポートであり、クリニック内部の人員トラブルへの緊急介入・ 他社クリニックへのスタッフ派遣・多拠点を動員しての危機対応といった業務は、 公式サービスの範囲には含まれていない。 すなわち、私どもはこれを引き受ける法的義務も契約上の義務も、何ら負っていなかった。
それにもかかわらず、被告近澤は山田氏の置かれた苦境を案じ、 善意をもって特別対応を行うことを決断した。 ただし、この対応には具体的かつ客観的なコストが伴う。 被告近澤は山田氏に対し、以下の趣旨を明確に説明した上で合意を求めた。
スタッフが本来業務を止めた分だけ、各クリニックの売上は現実に下がる。 これは客観的かつ計量可能な機会費用・逸失利益である。
私(近澤)個人は山田氏を支援したいが、 現場スタッフに無償の追加労働を強いることはできない。 そのコストとリスクを引き受ける前提として、先立つものとして 500万円を保証していただく必要がある。それが整って初めて全員が動ける。
この説明を受けた山田氏は、その論理を理解・納得した上で、 以下のとおり明確に承諾し、対応を依頼した。
それであればすぐ送金しますので、対応してください。」
※ この一文は、①近澤の説明した論理を理解・納得したこと、 ②500万円の支払いを自発的・明示的に約束したこと、 ③その上で被告らに対し対応業務の実施を明確に依頼したこと、 の三点を一文で示す契約成立の決定的な証拠である。
また、500万円の合意に至るLINE上のやり取りは以下のとおりであり、 山田氏が金額を承知した上で明示的に承諾していたことを裏付ける。
※ 山田氏は500万円という金額に対して異議も質問も挟まず、 「ありがとうございます」「よろしくお願いします」と明示的に承諾している。 これは自由意思による明確な合意の意思表示であり、後日これを翻すことは許されない。
3-2. 実際に提供した具体的サービス(時系列)
以下の各業務はすべて、山田氏からの要請・依頼に基づいて実施されたものです。
クリニック運営における法令遵守・コンプライアンス体制の整備を目的として、 東京丸の内法律事務所の増田弁護士を山田氏に紹介しました。 医療機関の運営には医療法・薬機法・個人情報保護法・美容医療広告規制等への 対応が不可欠であり、専門弁護士との顧問体制の構築は経営上の必須事項です。 これを私どもが主体的に実現したことは、山田氏のクリニック経営の 安全性確保に直接かつ重大な価値をもたらしました。
山田氏からの要請を受け、患者の支払い利便性向上及び 高額施術の成約率改善を目的として、クレジットカード会社及び信販会社を紹介し、 各種医療ローンの導入に向けた業者折衝・手続き支援を実施しました。
美容医療においては高額施術(数十万〜数百万円)の購入障壁を下げるため 医療ローン・クレジット決済の導入が不可欠であり、 適切な決済インフラの構築は患者単価・収益の向上に直結します。 信販・決済各社との折衝・交渉・審査対応は業界知見のない事業者には 著しく困難な専門業務です。
最新の美容医療機器「ステラオリジオ」の導入に向けて機器メーカーの担当者を 山田氏に紹介するとともに、新規機器の導入計画・メニュー構成に関する 企画会議を開催しました。
医療機器の選定はクリニックの競合優位性と収益構造を決定づける 極めて重要な経営判断であり、グループ内の実証実績に基づく提案と 導入後の活用方法の協議により、クリニックの収益最大化に貢献しました。
山田氏の依頼によりMKクリニックに出向し、以下の三位一体のサービスを実施しました。
- 患者へのイトリフト施術執刀: 特殊な糸を用いた高度な美容外科技術を要する施術で、市場単価は通常50万〜150万円以上。この施術をクリニックの売上向上に直接貢献する形で提供しました。
- 在籍医師への実践的技術指導: 同院医師へのイトリフトに関する実践指導を実施。外部の指導医に委託した場合、1回あたり数十万〜数百万円が相場です。
- カウンセラー・スタッフへの接客講習: 患者対応・接客の実践研修を実施。成約率を直接左右するカウンセリングスキル向上に貢献しました。
山田氏の要請に基づき、日比谷セントラルクリニックにて「ステラオリジオ」の施術を実施するとともに、 新規機器の安全な取り扱い方法・効果的な患者説明のあり方についてカウンセラーへの実地指導を行いました。
新規導入機器の適正使用指導は機器の効果を最大化し患者安全を確保するために不可欠であり、 これなしでは機器投資が無駄になりかねない重要業務です。
山田氏の依頼によりMKクリニックに出向し、ヘリコプター運航会社社長のオペ、 及び山田氏の知人であるKAKA氏の手術を執刀しました。
特に重要な事実として:KAKA氏の手術は5時間以上(実際には13時間半超)に及ぶ 高難度・長時間手術でした。 これは通常の業務委託の想定範囲を大きく超えるものであり、 極めて高い技術的負荷と長時間の拘束を伴うものです。
- VIP患者への施術:高所得層への施術は技術・コミュニケーション・ホスピタリティ・プライバシー管理すべてにおいて一般患者より高いレベルを要し、成功することでクリニックの評判・信頼性向上に直接貢献します。
- ハイエンド接客研修:富裕層向け接客研修を実施。専門研修会社への外注で高額費用が発生するレベルの内容です。
診療体制における突発的な欠員・不測の事態に対応するため、 代替医師の緊急手配を実施しました。 迅速な人材確保によりクリニックの正常な運営を維持し、 患者への影響を最小化しました。
医療分野の緊急人材手配は専門医療人材エージェントでなければ対応できない業務であり、 グループネットワークなしには実現困難なものです。
渋谷ティファクリニックにて経営会議を実施し、 広告素材の制作方針・各媒体での広告運用方針について協議するとともに、 プロモーション展開・新規患者獲得に向けた企画会議を行いました。
受付スタッフ等を招きレストラン「ラルジャン」にて経営会議・会食を実施しました。 この際の費用は井手下医師が自ら負担しました。
本席では、今後の美容医療講習・セミナー開催に向けた教育計画の共有のほか、 受付スタッフに対するモチベーション向上・接客の心得についての教育指導も実施しました。 費用を被告が自己負担したことは、山田氏のクリニック運営への誠実な支援姿勢を端的に示すものです。
山田氏の依頼により業務連絡のため鈴木氏にコンタクトを取るとともに、 MKクリニックにてクマ取り(眼窩脂肪除去)手術を執刀しました。 同手術においては、若手医師へのクマ取りに関する高度な技術指導も並行して実施しました。
クマ取りは眼窩周辺という繊細な部位を扱う高難度手術であり、 市場単価は通常30万〜100万円以上に相当します。 さらに若手医師への指導まで行ったことは、クリニックの長期的な技術力向上に寄与するものです。
MKクリニックにて、美容医療口コミアプリ「トリビュー」をはじめとする 各媒体のマーケティング・広告運用業務の引き継ぎを実施しました。 近澤がこれまで主導してきた広告素材の制作ノウハウ・ 効果的な広告運用手法について詳細なレクチャーと情報共有を行いました。
「トリビュー」は美容医療に特化した口コミプラットフォームであり、 その効果的な運用はクリニックの集患に直結する重要施策です。 蓄積された広告ノウハウの提供・移管は、 外部コンサルタントへの委託で数十万〜数百万円の価値に相当します。
渋谷にて経営会議を実施した上で、以下の複合的サービスを提供しました。
- 備品融通:日比谷セントラルクリニックからMKクリニックへ電気メスのコードを貸与し、現場の診療継続を支援。グループネットワークならではの即応サービスです。
- 新規メニュー企画(幹細胞治療):インバウンド需要を見据えた幹細胞治療の新規メニューを企画・作成。再生医療の最先端領域であり、専門的医療知識・薬事規制の理解・市場分析を要する高度な業務です。
- 業務調整:山田氏の依頼により、関連業務の円滑な進行のためモモカ氏への度重なる電話連絡・調整業務を実施。
山田氏の依頼によりMKクリニックにて二重手術を実施しました。 本件においても、これまで実施してきた医師技術指導・カウンセラー教育の 成果確認と、適切な患者対応のデモンストレーションを兼ねた業務を遂行しました。
二重手術(重瞼術)は美容外科において最も需要の高い施術の一つであり、 市場単価は数十万〜百万円以上です。 この施術を業務委託の一環として提供した上に教育的側面まで兼ねて実施したことは、 金銭的価値のみならず人材育成的価値としても高く評価されるべきものです。
モモカ氏からの業務引き継ぎが円滑に行われないという重大な運営危機に対し、 被告近澤は山田氏からの相談を受け、 2時間以上にわたる電話によるコンサルティングを実施した。 また、LINEの記録が示すとおり、近澤は山田氏と常時密接に連絡を取り合い、 山田氏が直面する経営上の悩み・人員問題・関係者との軋轢に対して 継続的な戦略アドバイスおよび精神的支援を提供し続けた。
提供した支援の具体的内容は以下のとおりである。
- 関係者調整コンサルティング:モモカ氏・鈴木氏等の関係者との折衝が難航するなか、どのように当事者間の調整を図るべきか、法的リスクを最小化しつつ円滑な引き継ぎを実現するための具体的な交渉戦略を立案・提案した。
- 2時間超の電話コンサルティング:山田氏が直面する複合的な問題(人員問題・運営危機・資金問題等)に対し、単なる精神的サポートにとどまらず、経営判断・交渉方針・優先順位の整理に係る実質的なコンサルティングを継続的に提供した。
- LINEによる常時サポート体制:営業時間外を含め、山田氏からの連絡に随時応答し、刻々と変化する状況に対してリアルタイムでアドバイスを提供した。
山田氏のクリニック運営危機に対応するため、 被告近澤の主導のもと、以下の複数拠点のスタッフが 本来業務を中断・停止してまで、山田氏のために作戦会議を繰り返し実施した。
- 日比谷セントラルクリニックのスタッフ:本来のクリニック業務(診療・カウンセリング・マーケティング等)から時間を割き、山田氏の問題解決のための情報収集・戦略立案・人員調整に参加した。
- 株式会社Medi Face社の人員:近澤代表の指揮のもと、Medi Face社の担当者が本来の業務を差し置き、山田氏の支援のための業務分析・調整・連絡業務に従事した。
- FRAISE CLINIC(札幌)の事務長:地理的に遠隔でありながら、事務長が山田氏の状況を深く案じ、本来業務を止めてまで、作戦会議や対応策の検討に参加した。
これらの会議・対応は、山田氏の問題が「れもん会グループ全体の問題」として グループ全員で共有・対処されたことを示すものであり、 グループ参加者としての山田氏に対して、 グループが総力を挙げて支援した事実の証左である。
山田氏のクリニックにおける運営上の深刻な人員不足・引き継ぎ問題を受け、 被告近澤はLINEにて 「明日から、日比谷のスタッフが銀座に入ります。安心してください。」 と山田氏に通知し、日比谷セントラルクリニックの実動スタッフを MKクリニック(銀座)に緊急派遣した。
これは単なる「アドバイス」や「紹介」にとどまらない、 実際の人員を物理的に移動・配置転換させるという、 極めて実質的かつコストを伴う業務支援である。 日比谷セントラルクリニックの通常業務に従事していたスタッフを山田氏のクリニックに 差し向けたことは、その間の日比谷における診療・カウンセリング・接客業務が その分減少したことを意味し、グループ側に直接的な機会損失が発生した。
以下は、500万円という金額の対価性について、 被告近澤が山田氏に対して直接説明し、山田氏が明確に承諾した 客観的根拠の要旨である。 書面においてこの論理を正確に展開していただくことが、 本件の核心部分として極めて重要であると考える。
被告近澤は、山田氏との電話において以下の趣旨を説明した。
山田氏の問題を解決するためには、日比谷セントラルクリニックのスタッフ・ Medi Face社の人員・FRAISE CLINIC(札幌)の事務長が、 本来の各クリニック・各社の業務を中断・停止してまで、 山田氏のためにチームを組んで動かなければならない。
スタッフが本来業務を止めた分だけ、 日比谷セントラルクリニックおよびFRAISE CLINIC(札幌)の 診療・カウンセリング業務が減少し、 それぞれのクリニックの売上は現実に下がる。 すなわち、山田氏を支援することに対してグループ側には 客観的かつ金銭的に計量可能な機会費用・逸失利益が発生する。
私(近澤)個人としては山田氏を支援したい気持ちは強いが、 現場スタッフに無償の追加労働を強いることはできない。 そのリスクとコストを引き受ける前提として、 先立つものとして500万円を報酬として保証していただく必要がある。 それが整って初めて、全員が安心して動ける。
上記説明を受けた山田氏は、その論理を理解・納得した上で、以下の趣旨を明確に述べた。
それであればすぐ送金しますので、対応してください。」
※ この発言は、①近澤の説明した対価の根拠を山田氏が理解・納得したこと、 ②500万円の支払いを自発的に約束したこと、 ③その上で被告らに対し対応(支援業務の実施)を明確に依頼したこと、 の三点を一文で示すものであり、 業務委託契約の成立を示す決定的な証拠である。
民法上、業務委託契約における「対価」は、 当事者間の合意によって自由に設定できるものであり (私的自治の原則・民法521条)、 その対価が「実施されたサービスの積み上げ額」と 完全一致する必要はない。
本件において500万円の対価の客観的根拠となるのは、 以下の二層構造からなる。
第一層:個別サービスの積み上げ価値
前掲の業務01〜16に列挙したとおり、
施術執刀・技術指導・マーケティング支援・法務体制構築等、
各サービスを個別市場価格で積み上げた総額は500万円を大幅に超える。
第二層:機会費用・逸失利益の補填としての対価
被告らが山田氏の支援に注力した期間、
日比谷セントラルクリニック・Medi Face社・FRAISE CLINIC(札幌)において
本来発生したはずの売上・利益が失われた。
この機会損失(逸失利益)に対する合理的補填として
500万円を設定することは、経済合理性の観点からも正当である。
山田氏自身がこの論理を理解・承諾した上で支払いを約束した以上、
その対価の合意は民法上有効な契約として成立している。
3-3. 市場価格との比較(500万円の対価の妥当性)
以上の各サービス(業務01〜16)を、私どもとの業務委託によらず個別に市場で外注した場合の概算費用は以下のとおりです。
| No. | 提供サービス | 概算市場費用(参考) |
|---|---|---|
| 01 | 法務体制構築・弁護士紹介 | 数十万円 |
| 02 | 決済システム構築・信販業者対応 | 数十万〜数百万円 |
| 03 | 新規医療機器導入コンサルティング・企画会議 | 数十万〜数百万円 |
| 04 | 施術執刀(イトリフト)+医師技術指導+スタッフ接客教育 | 数百万円以上 |
| 05 | 施術執刀(ステラオリジオ)+機器運用指導+カウンセラー教育 | 数十万〜数百万円 |
| 06 | VIP施術(13時間半超の長時間高難度手術含む)+ハイエンド接客研修 | 数百万〜数千万円 |
| 07 | 緊急代替医師手配(専門エージェント相当) | 数十万〜数百万円 |
| 08 | 経営会議・広告戦略立案(マーケティングコンサルティング) | 数十万〜数百万円 |
| 09 | 経営会議・スタッフ教育(被告負担で実施) | 数十万円以上 |
| 10 | 施術執刀(クマ取り)+若手医師技術指導 | 数十万〜数百万円 |
| 11 | マーケティング業務引き継ぎ・ノウハウ移転(トリビュー等) | 数十万〜数百万円 |
| 12 | 経営会議+新規メニュー開発(幹細胞治療)+業務調整 | 数十万〜数百万円 |
| 13 | 施術執刀(二重手術)+カウンセラー教育総括 | 数十万〜数百万円 |
| 14 | 危機管理コンサルティング(2時間超の電話サポート・LINE密接支援・関係調整) | 数十万〜数百万円 |
| 15 | 多拠点合同危機対応会議(Medi Face・日比谷・FRAISE CLINIC札幌)+機会費用 | 数百万円相当 |
| 16 | 日比谷セントラルクリニック・スタッフのMKクリニック緊急派遣 | 数十万〜数百万円 |
| 合 計(概算) | 数百万〜数千万円超 | |
※ 上記はあくまで業界標準の市場相場に基づく参考値です。実際に私どもが請求した金額ではありません。
※ 業務14〜16(紫色行)は10月3日以降に提供した追加業務です。
以上の試算から、提供サービスの市場価値総額は500万円を大幅に上回ることが数値的にも明らかです。 さらに、山田氏が機会費用・逸失利益の論理を十分に理解した上で 自発的・明示的に支払いを約束し対応を依頼した事実を合わせると、 500万円の対価性は法律的にも実質的にも疑う余地がありません。
3-4. 山田氏の「詐欺」主張に対する徹底的な反論
山田氏は、本件500万円の支払いについて「詐欺」であると主張しているようであるが、 これは法的要件を一切満たさない根拠のない主張であるばかりか、 事実関係を完全に逆転させた不当な言いがかりにほかならない。 以下に論点を整理して反論する。
詐欺が成立するためには、まず相手方が虚偽の事実を告知したことが必要である。
本件において被告らが山田氏に告知した内容は以下のとおりであり、 いずれも真実である。
- 日比谷・Medi Face社・札幌FRAISEのスタッフが本来業務を止めて対応する → 実際にそのとおり実行された(業務15・16)
- スタッフが本来業務を止めれば各クリニックの売上が落ちる → これは経済上の自明な真実であり、虚偽ではない
- その損失への補填として500万円が必要 → 合理的な根拠のある正当な請求である
→ 虚偽の事実の告知は一切存在しない。欺罔行為の要件を満たさない。
詐欺が成立するためには、被告らの欺罔により山田氏が錯誤に陥って合意したことが必要である。
しかし山田氏は、近澤から対価の論理(機会費用・逸失利益)の説明を受け、 「確かにそうですよね、わかりました」と自ら納得・理解した上で合意している。 これは「騙された」ではなく、説明を受けて十分に理解した上での自由意思による合意である。
さらに、合意後も山田氏は「ありがとうございます」「よろしくお願いします」と返信し、 その後も被告らのサービスを継続して受け続け、 「一緒に戦いましょう」「はい、みんなで立て直していきましょう!」等、 協力関係を積極的に肯定する言動を繰り返している。
→ 錯誤に基づく意思表示の要件を満たさない。山田氏は十分な情報のもと自発的に合意した。
詐欺による財産移転が問題となるためには、被告らが不当に利得し 山田氏が対価なき損害を受けたことが必要である。
しかし被告らは、500万円に対して前掲のとおり市場価格を大幅に上回る水準の実質的なサービスを実際に提供した。 山田氏は500万円に対して、個別外注すれば数百万〜数千万円超に相当するサービスを受けている。 これは対価のない損害ではなく、むしろ山田氏にとって経済的に有利な取引であった。
→ 対価なき損害の要件を満たさない。山田氏は相応の対価以上のサービスを受けている。
以上のとおり、詐欺の成立に必要な三要件――①欺罔行為、②錯誤に基づく意思表示、 ③対価なき財産的損害――のいずれも、本件においては認められない。
むしろ、事実関係を客観的に整理すると、本件の実態は以下のとおりである。
- 被告らは、公式サービスの範囲を超えた対応を善意で引き受けた。
- その対価の根拠を誠実かつ明確に山田氏に説明した。
- 山田氏は内容を理解した上で自発的に合意し、送金を約束した。
- 被告らはその約束を信頼し、実際に人員と時間を投じてサービスを提供した。
- 山田氏はサービス提供を受けた後、クリニックの経営に失敗した。
- そしてその責任を、根拠なく被告らに転嫁しようとしている。
これは、被告らの善意を踏みにじり、自己の経営失敗の尻拭いを 支援者に押しつける行為にほかならない。 「詐欺」という重大な法的言辞を事実の根拠なく用いることは、 被告らの名誉・信用を著しく毀損する不当行為でもある。 かかる主張は、その法的根拠の欠如とともに、 その道義的不当性においても断固として排斥されるべきである。
- MKクリニック(銀座)のM&Aは、山田氏自身の判断と責任のもとで実行された取引であり、私どもはその決定に一切関与していません。
- 私どもとの業務委託契約の内容にM&A支援は含まれていません。
- 山田氏が当該M&Aに要した7,500万円の費用を私どもに請求することは、法的根拠を欠く不当な主張と考えます。
- この点は、今村弁護士にも準備書面の中で明確に反論していただければ幸いです。
以上の事実整理をもとに、以下の二点を準備書面(補充)の中核として ご主張いただけますようお願い申し上げます。
【1,000万円について】
山田氏が医療法人れもん会グループに参加するにあたり、
グループのブランド・インフラ・ネットワーク・ノウハウへのアクセス権・活用権として
合意の上で支払われた正当な対価であること。
山田氏自身も「グループに入るための出資金」と認識していたことがLINE記録で確認できます。
【500万円について】
令和6年7月29日〜10月30日にかけての具体的かつ多岐にわたる業務委託サービス
(法務体制構築、決済システム導入、医療機器導入支援、
複数回にわたる施術執刀・技術指導・スタッフ教育、緊急人材手配、
経営会議・広告戦略立案、マーケティング引き継ぎ、
新規メニュー企画・業務調整等、計13業務)の対価として受領したものであること。
その市場価値総額は500万円を大幅に上回ることが明らかであり、
かつ山田氏がLINE上で明示的に合意していた事実も証拠として存在します。
本件の本質は、山田氏みずからの経営判断の失敗の責任を 私どもに転嫁しようとするスラップ訴訟に他なりません。 私どもは山田氏から依頼されたとおりのサービスを誠実・継続的に提供し続けました。 そのことを本書面の事実整理と証拠をもって、今村弁護士に明確にご主張いただければ幸いです。
- 時系列の概要記録(令和6年7月29日〜令和6年10月30日)
- 原告山田絵里子氏とのLINEメッセージ全記録(500万円合意のやり取りを含む)
- 医療法人れもん会グループ公式ウェブサイト(https://hibiya-central-clinic.com/kaigyo)
- 業務委託基本契約書(写し)※渋谷スタート時から存在するとの言及あり
※ 証拠番号は今村弁護士にて採番・整理をお願いいたします。
※ 「業務委託基本契約書」については書面の存在確認が必要であれば、別途ご連絡ください。